ひとりでいいもん。男より映画!と決めたもん。

映画観てる方が楽しいもん。癒やされるもん。年間映画400以上!映画依存症の私が独断と偏見と妄想により外れなし映画をご紹介します!

ストーリー★1 亀★5 スタローン★10 「クリード  チャンプを継ぐ男 」

皆さん、絶賛なんですよねー。
"現在上映中の作品は甘口で"を信条(CREED)"としている者としては、ちょっと心の葛藤がありました。
もちろんですね、スタローンとか、シュワちゃんの映画は、昔お世話になった恩師とか、叔父さんに会いに行くような気持ちになり、だいたい甘くなるんです。けど、今回はちょっと違います。

 

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原題「CREED」は"信念""信条"という意味ですが、逆にそれを私に捨てさせた本作。恐るべし。

(かなーり長くなります)

"ロッキーⅠ"冒頭のオマージュで始まり、なるほど-、タイトルは「CREED」ですが、ロッキーネタを随所にちりばめ、最近多い40オーバーのノスタルジックを止まらなくさせる商法だと分かります。ええ、そのつもりで来ましたよ。と思って、微笑んでいました。
でも、あまりにもストーリーにコストがかかってない!
アドニスとビアンカ(テッサ・トンプソン)の出会いからして、あんまりだ!

 

 

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アパートの下の階に住むビアンカが、大音量で音楽を聞いてて、アドニスむかついて部屋に行く。
やべ、いい女wってなる。

 

ランニング中に、ビアンカのポスターを見てバーに入る。
歌う姿を見る。
やべ、いい女wってなる。

 

食事に誘う。
体重とか気にしないのか、油ぎとぎとのハンバーガーを頬張りながら、ビアンカが聴覚障がい者であると知る。
どうやら進行性の難聴で、将来は聞こえなくなる可能性も。
「今を一生懸命に」的なことを言われ、決意新たにするアドニス。


やべ、いい女wってなる。

 

 

 

 

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2人で過ごす時間が多くなり、良い感じに。

やべ、いい女wってなる。 

 

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でも、ロッキーがコーチをしてくれることになたっら、何も言わず引っ越そうとするアドニス。え?最近忙しくて、言うの忘れてたと。

 


ふーん。女の私が、ふーん。

 


また、ビアンカ補聴器での会話に支障がないのに、アパートが揺れるほどの大音響で音楽を聴く意味が分からない。そしてそれを注意された時の態度、なんなん?
2人が出会う先行型、アドニスが決意を新たにする先行型のエピソードですよねー。
ええ、分かりますとも。

 

 

そもそも、アドニスがボクシングをせずにはいられない、切実な理由が分からない。
何か成す人には、それをせずにはいられない"切羽詰まった感"があると思うんですよ。
なだんろう。この余裕。
ストファイトで、理由らしい台詞がありますが、あまり説得力がないんです。
またロッキーも、なんでアドニスのコーチをやろうと思ったのか。
ロッキーⅢで、「父(アポロ)がコーチしてやっただろ。今回はお前が俺をやれ」って、アドニスが現れるんです。
あと、ほら、"ロッキーⅤ"で、教えるのに失敗して、ストリートで弟子をぼっこぼこにするという、ドン引きするエピソードがあったじゃないですか?
教えるのには、慎重になる筈でしょう?
「アポロに似てる」とか言って、情にほだされた感のロッキー。


世襲


チャンプを受け継ぐ者だかなんだか知らないけど、アドニスのこのチャンスって世襲ですよね?
なんか、ここちょっと嫌いなんですよ。ひねくれてて、すみません。

アポロのお葬式以来、会っていない養母:メアリーがボクシングをやることを反対しているのに、そこを脇に置いてもコーチをやる理由が見えない。そしてやっぱり、メアリーには連絡はしない。
普通、セコンドがロッキーで夫が亡くなり、今度は息子のセコンドがロッキーってなれば、穏やかではないと思うんですよねー。そこ、フォローしなくていいの?
あ、こまけーことはいいんですね。分かります。

そんなこんなでアドニスがトレーニングを始めるんですけど、体がボクサーっていうより、モデルみたいなんですよね。
もちろん、今までのロッキーのトレーニングシーンの"オマージュ"もありますよ。けど、余裕の表情のアドニス。
そりゃ余裕ですよ、「チャンプを受け継ぐ者」ですからね(邦題正解じゃん!)。
DNA的に苦しんだりしないんでしょう。クールな表情で、切り抜けます。
で、初戦!
今までサラリーマンで、我流でボクシングしてて、でも、ほら、賭けボクシングとかやってたしー、経験あるもん!あるもん!で、勝つ!
ええ、勝つんですよね。
何故って、アポロの息子だもん。DNA的に、アポロのボクシングセンスを受け継いでるから!昨今では、フォースも、ボクシングセンスも、受け継ぐモンなんですね?
父親へ及ばない自分を嘆いたり、苦しんだり、だからこそ必死に努力したり。
そういうのないんですよね、アドニスには。
この時、ビアンカがニタニタ笑顔でリングに上がって来るのを見て、「イラっ」て来たのは私だけでしょうか?
「貴方がそんなに強いって、聞いてなかったぁー」みたいな。
きゃらきゃらっ!みたいなー。

 

 

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うざ。

あ、すみません。
"フットルース"の(こんな意地の悪い顔しててなんでヒロインなん?)エリエル(ロリ・シンガー)くらいイラって来ました。

 

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その後のソファーでのHシーンとかも、ビアンカが自分で作った曲をアドニスに聴かせて……。またその歌詞が、もう、うわーってなるの。
「私をあげる」とか言って。
うわうわうわうわ……って。
水槽のロッキーの亀も「あれ?ロッキーとエイドリアンとは違う。思ってたんとちゃう」って言ってました(笑)あ、嘘です。すみません。

思い出してください"ロッキーⅠ"を、あのロッキーとエイドリアンの出会いから、恋に落ちるまでを。

 

 

 

 

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ロッキーの不器用な優しさと愛情表現、奥手のエイドリアンが女性として成長していく姿。フランス映画みたいなんですよ(あ、思い込みです。すみません)。


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一回勝ったアドニスは、ちょっとしたことで、やんちゃな男の子と喧嘩しちゃうんですけど。それが元で、ビアンカとの間に亀裂が入るんです。
「私と貴方、別々な道を行きましょう」とか言われちゃう。
ドアの外で、むっちゃ謝ったアドニスが言うんです。


「今の俺には、君が必要なんだ」


えー!?
ロッキーの部屋に居候してコーチして貰うとき「最近、忙しくて、君に言うの忘れてた」とか言って、知らん顔で引っ越そうとしてたよね?

あ、私このビアンカに、女性としての包容力というか、癒やしというか、アドニスが「必要とする理由」が、最後まで全く分からなかったっす!
でも君が必要だとか言いながら、ラストファイトの後、腕を絡めるビアンカの方を見なかったよね?コメントも養母への感謝だったよね?


ビアンカァー」

って叫べとか言わないけど。いや、叫んだら笑っちゃうけど。
母親への感謝も大事ですけど。何のためのビアンカか!っていうね。
リングに上がって来る女子がいないと、ロッキーっぽい映画作れないし。みたいな。
ええ、分かりますよ。
でも、弱ってる時だけ、必要だとかいう自分勝手な男なんですよ、アドニスって。
あ、すみません。
実はこの「君が必要だ」の後、寝落ちました。

ストファイトまでです(笑)ラストファイト前で、2PACの"Hail Mary" を聴くまでです。 

 

 

 

youtu.be

だって、一回アドニスの鼻をへし折る為に、無理矢理に喧嘩させるんだもん!


ドラマ「噂の刑事トミーとマツ」では、トミーが「男女!」と言われるとキレて怪力を出してたけど、「ベイビー・クリードでそこまで怒る?強いヤツと対戦させて、凹ませてよ。凹んでから必死で努力してよ!って思いました。
ほんと、コストがかかってないんですよ。
父ちゃんの名前出して、ロッキーにコーチしてもらったやん?
むしろ、使える者はなんでも使ってのし上がるくらいが良かった。
格好つけんな!って思ったんですよね。
あの、「冒頭100分」と、ラストファイトシーンはいいです。

 

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※父ちゃんと同じパンツはいてます。

寝落ち間は、家に帰って来てDVDで補完しました。
トレーニングより、減量より、ロッキーの看病の方が苦しそうじゃん(笑)!
あのー、ですね。
トータル、ファンムービーっぽいんですよね。
動画サイトに、クオリティの高いファンムービーがアップされてました感。
スピンオフと言えば聞こえはいいですけど、公式な二次創作っぽいんですよ。
アドニスやビアンカのキャラも表面的で、信用ならない。魅力がない。
登場人物先行してストーリーを考えるから、おかしなことになるんです。
偉そうにすみません。
クリードのパンチと、ロッキーのブローを受け継いで!」という実況中継を聞いて、唖然です。
小説の世界ではこういうの、ドリーム小説と言います。

 


みんなロッキーと同じ音楽で、暗示にかかってないかい?
良い感じで入って来るかっけー音に、やられてないかい?
いや、映画の内容ではなくて、「そうそう、俺が撮りたかったの。こんなん!」の方に、感情移入してないかい?つまり、主人公より、監督に共感してないかい?
あ、でも、ラストは泣いたんですよ。
老いと、折り合いを付けたロッキーに。
別の戦いに向かう、老いたロッキーに。

でも、どうしてももやもやしたので、家に帰ってからロッキーⅠ~Ⅵまで"おさらい"したんです。

 



ロッキーがエイドリアンと出会い。アポロとの対戦のチャンスを掴み、現チャンプ相手にボロボロになるまで戦う姿。本作のラストは、Ⅰオマージュですね。

 

 


引退する筈だったけど、お金を稼がなくちゃいけない。エイドリアンは妊娠。過労と心労で早産する。アポロは度重なる中傷に嫌気がさして、もう一度ロッキーと戦いと言う。そして再度ファイト!ロッキー勝利!

 


センスの悪い豪邸にすんで、すっかり豪華な生活にだれだれなロッキー。新たな対戦相手が!そう!飛行機に乗るのが嫌で、いつも動物用の麻酔銃を撃たれるミスターTです。いいキャラ!アポロのコーチにより、クラバー(ミスターT)と対戦して、勝利!

 

 


アポロが対戦中に死亡します。相手はロシアのドラゴ。ロッキーは、ハングリー精神を取り戻して、ドラゴに立ち向かううんです。そんなロッキーに寄り添う、エイドリアン!
あ、Ⅳが一番好きです!今考えても、何故ロッキーがドラゴに勝てたのか……。あしたのジョーが、金竜飛に勝った時みたいですよね(笑)
で、ロッキー勝利!

 


ロッキーはⅣで激しいパンチを浴びたせいで、脳障害に陥るんです。もう、ボクシングはしちゃいけない!と言われる。ので、町で拾った弟子登場。ガンですよ。ガン。
でも、エイドリアン曰く「ガンには心がない」んです。
またロッキーも、ガンがリングに上がる姿を見て、バーチャルボクシングに昂じる。ガンは弟子っていうか、ロッキーのアバターなんですよね。
そこで最終的に、ストリートでガンをぼっこぼこにします(笑)

 

 


エイドリアンに先立たれ、老いと折り合いをつけられず苦しむロッキー。そこに"ロッキーⅠ"で悪い子だったマリーが、結婚して子供までいる。一人息子とのジュニアの関係は最悪。
で、現役チャンピオンと最終ラウンドまで戦う姿を、息子に見せるんです。

 

 

アポロ、クラバー、ドラゴ、ポーリー、ミッキー、エイドリアン、忘れちゃならないドラゴの鬼妻!上げたら切りがない!みんな、みんな魅力的!
それなのに、本作のコンラッド、なんなん?どんだけつえーやつか分からないし、ラストファイトのあの体!ええ!?
でも、Ⅰ~Ⅵを全部おさらいして、はっとしたんです。
ロッキーが言った「ボクシングは人生と同じ」の意味。
「でも人生はどんなパンチよりも、重くお前を打ちのめす。だが、人生とはお前が強く殴り返すかじゃない。どれだけきついパンチを打たれても、休まず前に進み続けられるかだ!(ロッキー・ザ・ファイナル)」

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本作を含めた39年のロッキーシリーズで、それを証明してくれたスタローン。

 


本作でも「前に進む」決心をします。葛藤、克服、成長(アドニスはあんましてないけど)、登った後の人生と、どう折り合いを付けるのか。
今回も、勉強させていただきました。
やっぱスタローンは、恩師です。
先生、今頃気付いてごめんなさい。そしてありがと。
そんなロッキーに、号泣です。
色々と書きましたが、"ロッキーⅥ"からのたぶん演技派スタローンに(爺)萌えしてる私としては、その部分は大満足でしたよ。
なんだよ、満足してるんじゃん!
ホントすみません!